カンコノキ

ID 0413

観察月

6月

奄美大島で見られるカンコノキを紹介。先端が刺状になる小枝や光沢のある倒卵形の葉という外見的特徴を持ちます。ハナホソガとの絶対送粉共生が最大の観察ポイントです。植物図鑑としてご活用ください。 基本情報:日本固有種であり、本州(近畿以西)、四国、九州、沖縄(奄美・琉球諸島)に広く分布する落葉または半落葉の低木です。ハナホソガというガと「絶対送粉共生」という特異なもちつもたれつの関係を築いていることで知られています。 形態的特徴: 花: 葉の付け根(葉腋)にクリーム色〜淡黄緑色の小さな花を数個束生させます。花弁(花びら)や花盤を持たず、6枚の萼片があります。雌雄異花(基本は雌雄同株)で、雄花には長い花柄と6本の雄しべがあり、雌花は花柄が短く子房が偏球体です。 葉: 枝に互生で2列に並びます。葉身は長さ3〜6cmほどの倒卵形〜くさび形(二等辺三角形)で、先端は鈍頭〜鋭頭です。葉の質は厚み(革質)があって表面に光沢があり、裏面は淡緑色(若葉は灰白色を帯びる)で両面とも無毛です。 茎: よく枝分かれをし、枝先(短枝)の先端部分は鋭いトゲ状に変化することが多いのが大きな特徴です。若い枝は紫褐色〜褐色で、成長した幹の樹皮は灰褐色で縦に細かく割れます。秋には直径6mmほどのカボチャに似た偏球形の果実(蒴果)が朱色(赤色)に熟し、裂けて種子を出します。 分布域 / 生育環境: 本州(近畿地方以西)、四国、九州、沖縄(奄美諸島・琉球諸島)に分布。海岸近くの丘陵や日当たりの良い山裾に自生し、潮風や乾燥、過酷な環境にも強いパイオニア植物の性質を持ちます。 花期: 6月〜10月(長期間にわたって次々と花を咲かせます)。 利用法: 材質が極めて硬く丈夫であるため、印鑑(印材)や櫛、算盤の玉などの用材として利用されるほか、根の皮が染料として用いられます。 レッドデータ等: 岡山県などでは留意種に指定されています。

コミカンソウ科(旧トウダイグサ科)カンコノキ属(またはコミカンソウ属)
学名 Glochidion obovatum(最新の分類では Phyllanthus sieboldianus とされることもある)