シマセンブリ
観察月
奄美大島の海岸が観察ポイント!シマセンブリは、紅紫色の花と3本の脈が目立つ葉の外見的特徴を持つ一年草。晴れの日しか咲かない不思議な生態や、絶滅危惧種としての保護の重要性も解説する植物図鑑です。 基本情報: 春から夏にかけて、紅紫色の小さな花を咲かせる海浜植物。太陽の光を感知して「晴れの日」だけ花を開く不思議な性質を持つ。絶滅の危機に瀕しており、「国内希少野生動植物種」として法的に採取が厳しく禁じられている貴重な植物。 形態的特徴: 花: 4〜8月頃、枝の上部の葉腋に通常1個ずつ花をつける。花冠は径約1cmの紅紫色で、高杯形(漏斗状)をしており、先端が5つに深く裂ける。近縁種に比べて花を包む花苞(萼)が大きく(長さ7〜8mmの管状)、先端が5つに裂けて直立するのが特徴。強い向光性運動があり、直射日光が当たる晴天時にのみ開花し、日陰や曇りになると数分で花を閉じてしまう。 葉: 茎に密に対生する。葉柄はなく(無柄)、基部が茎を抱くようにつく。葉身は長さ1〜2.5cm、幅0.5〜1cmの卵状長楕円形〜倒卵形。主脈と側脈を合わせた「3本の脈」がはっきりと目立つのが特徴。上部の葉ほど細い披針形になる。 茎: 白緑色で全体が無毛。断面は4つの角がある4稜形をしており、下部から非常によく枝分かれする。 分布域 / 生育環境: 日本国内では屋久島を北限とし、奄美大島、沖縄諸島、宮古諸島、八重山諸島に分布。国外では台湾沿岸部に分布する。海岸の岩場や湿地、塩害を受ける海岸林縁などに自生するパイオニア植物。 花期: 4月〜8月頃 奄美特有情報: 利用法: リンドウ科特有の非常に強い苦味成分(セコイリドイド配糖体)を含んでいるが、後述の通り厳重に保護されている絶滅危惧種であるため、民間薬等での採取および利用は法律で全面的に禁止されている。 レッドデータ等: 海岸開発などによる生息地の破壊や園芸目的の盗掘により激減。環境省レッドリストで「絶滅危惧I類 (CR+EN)」、および「種の保存法」に基づく【国内希少野生動植物種】に指定されており、野生個体の採取・損傷・譲渡などが刑事罰を伴い法的に厳しく禁止されている。