シシアクチ

ID 0407
紫と青

観察月

5月 7月
2026年5月 さんぽ山森コース
2026年5月 さんぽ山森コース
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奄美大島の湿潤な森が観察ポイント!シシアクチは、薄く細長い葉と黒紫色に熟す扁球形の実の外見的特徴を持つサクラソウ科の常緑低木です。よく似たモクタチバナとの違いや生薬としての魅力にも迫る植物図鑑! 基本情報: 高さが2〜5mほどになる常緑の低木〜小高木。ひょろひょろと細長く直立する樹形が特徴で、枝先に集まった葉の下から傘のように垂れ下がって花や実をつける。黒紫色に熟す果実は小鳥たちの餌となるほか、人も食べることができる。 形態的特徴: 花: 奄美や沖縄本島周辺では主に10〜12月頃(地域によっては4〜7月頃)に開花する。葉腋から細い花序柄を伸ばし、散房状または集散状に径5〜6mmほどの小さな花を十数個密につける。花冠は白色から淡紅色、淡紫色で、5深裂して広卵形になり、先端が尖る。 葉: 互生し、長さ6〜16cm、幅2〜4cmの倒披針状長楕円形〜狭倒卵形。先端は長く突き出して尖り、基部は楔形で縁は全縁。質は紙質ないし薄い膜質で柔らかく、乾燥すると暗紫褐色に変色する特徴がある。裏面には多数の平行な側脈がはっきりと浮き出て見える。 茎: 小枝は径2〜3mmと非常に細く、若い時期には褐色の鱗片毛(盾状鱗片)が密生するが、成長に伴い脱落して無毛になり、灰褐色から灰色の円柱形となる。 分布域 / 生育環境: 九州南部(宮崎県、屋久島、種子島)から琉球列島(奄美群島を含む)にかけて分布。国外では台湾、中国南部、ベトナム、インドなどに広く分布する。海岸付近の低地から山地の湿潤な常緑広葉樹林内や渓流沿いに自生する。 花期: 地域により異なり、奄美大島や沖縄本島では10月〜12月頃、西表島などでは4月〜7月頃。 奄美特有情報: 方言: シシアクチ、シシャクチ(※和名の「シシアクチ」自体が、奄美地方での伝統的な方言名に由来するとされている)。 利用法: 黒紫色に熟した実はほんのりとした甘味と渋みがあり、食用になる。奄美大島特有の利用法ではないが、中国南部では「羅傘樹(ルオサンシュ)」などと呼ばれ、打撲やリウマチ、咳などの治療に用いられる伝統医学の生薬として重宝されてきた。近年では葉から抗リーシュマニア活性などを持つ特異な成分(アルディシアキノン類)が発見され、薬理学的にも注目されている。 レッドデータ等: 環境省のレッドリストでの指定はない(IUCNでは「Least Concern」)。ただし、分布の北限にあたる宮崎県では絶滅危惧I類に指定されている。

サクラソウ科(旧ヤブコウジ科)ヤブコウジ属
学名 Ardisia quinquegona Blume