ハドノキ
ID 0393
その他
観察月
観察月の記録なし
2026年5月 住用の滝の途中
2026年5月 住用の滝の途中
奄美大島の林縁に自生するハドノキ。葉脈が赤紫に染まる外見的特徴や、幹に直接咲く幹生花が観察ポイント。刺がないイラクサ科の樹木の不思議な魅力を、奄美の自然と共に解説します。 基本情報: イラクサ科の植物でありながら、チクチクとした刺毛を持たない常緑性の低木〜小高木です。葉の裏面にある脈が赤紫色に染まることや、枝(幹)に直接小さな花や実をつける「幹生花」の様相を示すのが大きな特徴です。白いゼリー状の果実は野鳥やニホンザルなどの貴重な食料となります。 形態的特徴: 花: 雌雄異株です。前年枝の葉痕に、紅色を帯びた小さな花が密集してつく団集花序を形成し、幹に直接花が咲く幹生花のような姿になります。雄花序は無柄または長さ3〜5mmの柄があり、雄花の花被片と雄しべは3個。雌花序は3〜5mmの柄があるか、またはほぼ無柄で密集し、花被は筒状です。 葉: 互生し、長さ5〜15cm、幅2〜4cmの長楕円状披針形をしています。先端は鋭く尖り、基部は鈍形または広いくさび形、縁には粗く鈍い鋸歯があります。薄くがさがさした質感で、3行脈が目立ちます。最大の識別ポイントは、裏面に隆起する主脈や側脈、そして長さ1〜3cmの葉柄が紅紫色を帯びることです。 茎: 樹皮は赤褐色で皮目が目立ちます。新枝には短い伏毛(表面に寝た毛)があり、紫色を帯びています。 分布域 / 生育環境: 日本国内では本州(伊豆半島、紀伊半島南部)、四国、九州南部、琉球列島に分布し、国外では台湾からフィリピン、東南アジアにかけて分布します。黒潮の影響を受ける温暖・多湿な低地や山地の沢沿い、林縁に生育し、攪乱跡地にいち早く侵入するパイオニア植物としての性質も持ちます。 花期: 2月〜4月(果期は11月〜3月頃)
科 イラクサ科ハドノキ属
学名 Oreocnide pedunculata (Shirai) Masamune