ハマクサギ
観察月
奄美大島の海岸林縁がおすすめの観察ポイント! ハマクサギは、淡黄色の花と、揉むと独特の匂いを放つ葉の外見的特徴を持つ植物です。不思議な香りを持つ自然のハーブを探しに行きましょう。 基本情報:葉を揉むとピーナッツバターやアーモンドに似た独特の臭気を放つ落葉小高木。葉にはペクチンが豊富に含まれ、初夏には淡黄色の小さな花を咲かせる。 形態的特徴: 花: 枝の先端に長さ5〜15cmの円錐花序を出し、淡黄色からクリーム色の小さな花をまばらにつける。花冠は長さ5〜10mmの筒状で、先端は4裂して水平に開く(くちびる状)。萼は鐘形で口に5つの小さな歯がある。雄しべ4個、雌しべ1個で花冠から大きく突出しない。 葉: 対生し、長さ4〜12cm、幅2.5〜7cmの広卵形〜卵状楕円形(または倒卵形)で膜質の質感。先端は短く尖り、基部は葉柄に流れる。成木では全縁だが、若木や徒長枝では鈍く尖った粗い鋸歯が出ることがある。表面に光沢があり、両面とも脈上に白毛がある。最大の特長として、揉むと揮発性成分による特異な臭気がある。 茎: 茎や枝は木質化し、シソ科特有の四角形の断面を持つ。葉柄基部の「葉枕(ようちん)」が発達しており、節の部分が横にふくらむ構造が特徴。樹皮は灰褐色で平滑。 分布域 / 生育環境: 日本国内では本州(近畿以西)、四国、九州、琉球列島に分布。国外では台湾、中国中南部〜東南部などに自生。海岸沿いの林縁、山地の林内に生え、特に排水の良好な土壌や石灰岩地帯を好む。 花期: 5月〜6月(地域や個体によっては9月頃まで) 利用法: 奄美大島での特有の利用法の記載はないが、本種は古くから多様に利用されている。葉に30〜40%もの高濃度ペクチンを含むため、中国では葉から鮮やかな緑色のゼリー状食品「神仙豆腐(観音豆腐)」が作られ、食用とされる。また、特有の臭気を利用して家畜舎のハエよけとして枝を吊るす伝統もある。さらに日本の盆栽界では「ニオイカエデ」の名で親しまれ、観賞価値が高い。