クチナシ

ID 0388

観察月

4月 5月
2026年5月 さんぽ山
2026年5月 さんぽ山

奄美大島の森にも自生するクチナシ。外見的特徴である光沢のある葉と純白の花が、甘い香りを放つのが最大の観察ポイントです。実の利用法や育て方など、魅力的な植物の秘密を解説! 基本情報: - 東アジアの温帯から亜熱帯にかけて広く分布する常緑低木。 - 6〜7月(梅雨時)に強い甘い芳香を放つ純白の大型の花を咲かせる。ジンチョウゲ、キンモクセイと並ぶ「三大香木」のひとつ。 - 秋には橙赤色の果実をつけるが、熟しても裂開しない(口が開かない)ことが「クチナシ」の語源とされる。 - 果実は古くから黄色の染料や、漢方薬「山梔子(さんしし)」として重宝されてきた。 形態的特徴: 花: 6月〜7月にかけて、枝先に直径5〜10cmほどの純白の6弁花を咲かせる(園芸品種には八重咲きもあるが、野生種は一重咲き)。開花直後は真っ白だが、1〜2日経つと次第に黄色みを帯びてしおれる。非常に強い甘い芳香があり、夕方から夜にかけて特に香りが強くなる傾向がある。 葉: 長さ5〜12cmほどの長楕円形で対生する。葉の表面には強い光沢があり、濃緑色で革質。葉脈がはっきりと目立つのが特徴である。 茎: 幹は直立するより株立ち状に広がりやすい。秋に実る果実は長さ3cmほどの長楕円形で、先端に萼の残りが針のようについている。熟しても自然に割れない。 分布域 / 生育環境: 日本国内では本州(静岡県・福井県以西)、四国、九州、南西諸島(奄美大島、沖縄など)に分布。国外では中国、台湾、朝鮮半島、インドシナ半島に分布する。照葉樹林の林内や林縁などの半日陰で、やや湿り気のある弱酸性の土壌を好む。 花期: 6月〜7月(南西諸島ではより早くから開花が始まることがある) 利用法: 奄美特有の利用法の記載はないが、日本全国で古くから果実が食品(たくあんや栗きんとんなど)の黄色い着色料や、消炎・鎮静などの効能を持つ漢方薬「山梔子」として利用されてきた。また、伝統的な将棋盤や碁盤の脚の形はクチナシの実をかたどっており、これは対局中の「口出し無用(口無し)」という洒落に由来する。

真正双子葉類 リンドウ目 アカネ科 クチナシ属
学名 Gardenia jasminoides