ツルマオ

ID 0386

観察月

4月
2026年4月

奄美大島の道端や林縁が観察ポイント! ツルマオは、地を這う茎や3行脈が目立つ対生の葉といった外見的特徴を持つイラクサ科の野草です。目立たないながらも一年中咲く小さな花など、身近な自然の魅力をご紹介します。 基本情報:紀伊半島などの本州一部から琉球列島、アジア広域にかけて分布する匍匐性の多年生草本。茎は蔓状に地を這って伸び、十字対生につく「3行脈」が目立つ葉と、葉腋に球状に固まって咲く小さな白黄色の花が特徴。南西諸島ではごく普通に見られる野草である。) 形態的特徴: 花: 雌雄同株。葉の付け根(葉腋)に白黄色の小さな花が球状に固まってつく。茎の先端側(上方)に雄花が、基部側(下方)に雌花がつく。雄花には長さ約4mmの短い柄があり、5枚の花被片と5個の雄しべを持つ。雌花はほとんど無柄で、2枚の花被片が合着して子房を包み込み、先端に毛がある。 葉: 十字対生し、長さ1〜3mmの短い葉柄を持つ。葉身は長さ3〜10cm、幅1〜2.5cmほどの披針形〜長楕円状披針形で、先端は突き出して尖り、基部は円形または浅い心形になる。縁は全縁(ギザギザがない)。表面はざらつきがあり、裏面には主脈と1対の側脈からなる「3行脈」が強く隆起して目立つ。両面の縁近くには疎らに短毛が生える。 茎: 黄緑色で細い円柱状。まばらに枝分かれしながら蔓状に長く地を這い、先端部のみ直立または斜上する。茎の皮には繊維があり、表面には全体に短毛が生えている。果実は長さ約1mmの黒色で光沢のある痩果を結ぶ。 分布域 / 生育環境: 国内では本州(東海地方、静岡県、紀伊半島南部、中国地方)、四国、九州南部、屋久島以南の南西諸島に分布。国外では台湾、中国中南部、東南アジアからインド、マレーシアにかけて広く分布する。林縁の適度に湿り気のある場所や、日当たりの良い荒地、道路端などに生育する。 花期: 8月〜10月(※奄美大島・沖縄などの南西諸島では夏の一部を除き、ほぼ1年中開花が見られる) レッドデータ等: 奄美大島を含む南西諸島では普通種であるためレッドデータ指定はない。しかし、分布の北限にあたる本州の千葉県、神奈川県、和歌山県、長崎県では絶滅危惧I類に、広島県では準絶滅危惧に指定されており、地域によって希少価値が大きく異なる

バラ目 イラクサ科 (Urticaceae) ツルマオ属
学名 Pouzolzia hirta Blume ex Hassk. (旧学名・シノニム: Gonostegia hirta)