ギーマ(別名:ヒメシャシャンボ)
観察月
奄美大島の酸性土壌の森が観察ポイント!ギーマは、スズランのような壺型の花や黒紫色に熟す実の外見的特徴を持つ野生のブルーベリーです。美味しくて可愛い自然の恵みを探してみませんか? 奄美群島以南の琉球列島から台湾にかけて分布する常緑低木です。 和名の「ギーマ」は沖縄方言に由来しています。 ブルーベリーの近縁種であり、春に咲くスズランのような可愛らしい白い壺型の花と、秋から冬にかけて黒紫色に熟す甘酸っぱい果実が特徴の、南国の山の恵みです。 形態的特徴: 花:春に、淡桃色から白色をしたスズランのような壺型の花を咲かせます。赤みを帯びた長い花柄を持ち、横に伸びた花序から下垂して咲くのが特徴です。近縁のシャシャンボと比べると花序が長く、花柄も長い傾向があります。 葉:互生し、楕円形から卵状楕円形、あるいは長楕円形を呈します。長さは3〜7cm、幅1.5〜3cmほどです。葉先は鋭く尖りますが、シャシャンボのように尾状に長く伸びることはありません。縁には細かく鈍い鋸歯があります。厚みのある革質で、表面は光沢のある緑色をしており、両面とも無毛です。 茎:木質化してよく分枝し、密な樹冠を形成します。樹皮は灰褐色で、古い枝では縦に細かく裂けることがあります。若い枝は細く、緑色から赤みを帯びますが、成長すると無毛になります。秋から冬にかけて、径7mmほどの球形の液果を結実します。 分布域 / 生育環境: 国内では奄美群島(奄美大島周辺が北限付近)から沖縄諸島、先島諸島にかけて分布します。ただし、石灰岩土壌で覆われた宮古諸島には生育しません。国外では台湾や中国華南に分布します。日当たりの良い林縁やマツ林内など、非石灰岩性の酸性土壌を強く好みます。 奄美特有情報: 方言:和名自体が沖縄周辺の方言「ギーマ(ギマ、ゲーマ、ウチギ)」に由来します。 利用法:果実は甘酸っぱい風味があり、アントシアニン等のポリフェノールを豊富に含むため、生食されるほか、ジャムや果実酒(氷砂糖等で漬け込むとルビー色の薬用酒になる)に加工されます。また、庭木や盆栽としても親しまれています。大島紬の泥染めで知られる奄美大島においては、シャリンバイ(テーチ木)と同様に植物体にタンニンを含むため、補助的な染料源として意識されていた可能性も指摘されています。 レッドデータ等: 絶滅危惧種等としての特段の指定はありません。しかし、日本の野生ブルーベリーの貴重な遺伝資源として、耐暑性向上や収穫期分散などの品種改良を目指し、農研機構などによって奄美大島や沖縄の自生個体が収集・研究されています。