ゲットウ
観察月
奄美大島の路傍や庭先が主な観察ポイント!ゲットウは、大きく枝垂れて咲く黄色と赤の華やかな花や、艶やかな大きな葉という外見的特徴を持ちます。島での伝統的な利用法や美肌・健康効果もたっぷりご紹介します。 基本情報: 東南アジア原産で、九州南部から南西諸島に広く分布する大型の常緑多年草。独特の清涼感ある芳香と強力な抗菌・防虫作用を持ち、奄美大島などでは「サネン」と呼ばれ、お餅を包むなど生活に密着したハーブとして利用されてきた。 形態的特徴: 花: 5〜6月に偽茎の先端から長さ20〜30cmに達する総状花序を形成し、重みで美しく下垂する。花序の中軸には褐色の毛が密生する。先端が桃赤色に染まった白い苞に包まれた蕾が並び、そこから突き出すように大きな花を咲かせる。花の唇弁は黄色で、中央に赤から紅色の条紋(筋模様)があり、先端はやや3裂する。 葉: 長さ40〜70cm、幅15cmほどの広披針形から長楕円形。濃緑色でワックス成分による滑らかな光沢があり、葉縁部および葉舌部には微細な毛が密生している。ちぎると特有の清涼感あるハーバルな強い芳香(精油臭)を放つ。 茎: 地中に太く発達した多肉質の地下茎が横に這い、そこから地上に向かって葉鞘が重なり合った「偽茎」を多数直立させる。 分布域 / 生育環境: 日本国内では九州南部(鹿児島県の佐多岬を北限とする)から沖縄、小笠原諸島にかけて広く分布する。国外では台湾、中国南部、東南アジア、インドなどに分布。海岸沿いや人里の路傍、日向から半日陰の風通しの良い環境に生育する。 花期: 5月〜6月頃。 奄美特有情報: 方言: サネン(奄美地方)。ちなみに沖縄本島では「サンニン」と呼ばれる。 利用法: 葉には防虫、防カビ、防腐、抗菌作用があり、奄美群島や沖縄でお団子やおむすび、伝統菓子「ムーチー」や「かしゃもち」を包む材料として重宝されている。乾燥させた種子は「白手伊豆縮砂(シロテイズシュクシャ)」と呼ばれる生薬になり、芳香性健胃薬や整腸薬として用いられる。また、葉にはポリフェノールが豊富で健康茶(月桃茶)として飲用されたり、抽出した精油がアロマオイルやスキンケアコスメに利用される。さらに、茎の強靭な繊維は「月桃紙」などの紙原料や、沖縄の夏の正装「かりゆしウェア」の混紡布地としても活用されている。 レッドデータ等: 情報なし(広く自生、および人里で栽培もされており、絶滅危惧の指定は特にないと考えられる。)