アカミズキ

ID 0415

観察月

7月
2026年7月初旬 ツツジ山周辺
2026年7月初旬 ツツジ山周辺

奄美大島以南に自生するアカミズキをご紹介。波打つ葉や赤褐色の樹皮という外見的特徴を持ちます。初夏に木全体を覆うように咲く白い花が最大の観察ポイントです。植物図鑑としてご活用ください。 基本情報:九州(奄美大島以南)から琉球列島、台湾、中国南部、ベトナムにかけて広く分布する常緑の低木〜小高木です。初夏には枝先に小さな白い花を無数に密集して咲かせ、木全体が白く覆われたような美しい姿を見せます。攪乱を受けた土地にいち早く定着して森を再生させる「パイオニア植物」であり、かつ土地が湿って肥沃であることを示す「湿沃地指標植物」としても知られています。材が緻密で硬く、地域社会で古くから生活用具として重宝されてきました。 形態的特徴: 花: 5月〜6月(地域により7月まで)にかけて開花します。茎の先端に長さ10〜20cmの巨大な円錐花序を形成し、微小な白い花(径約1mm、長さ約5mm)を無数に咲かせます。花冠は筒状(高杯形)で、先端が5裂して反り返ります。豊富な蜜で蝶を誘引する「蝶媒花」の特徴を持ちます。 葉: 対生(まれに輪生)し、長さ7〜20cm、幅3〜6cmほどの長楕円形〜広楕円形で両端が尖ります。側脈が5〜10対あり、葉脈が裏面に強く突き出しているため、葉の表面が全体的に波打ったような特有の質感を持ちます。新芽や古い葉は赤く色づくことが多いのも特徴です。 茎: 樹皮は薄く、褐色〜赤褐色(淡赤褐色)を呈します。若い小枝には伏した短い毛が散生しますが、成長とともに無毛になります。秋(9〜10月)には径1.5〜2mmほどの小さな球形の果実(蒴果)が褐色に熟し、微小な種子を風に乗せて散布(風散布)します。 分布域 / 生育環境: 日本国内では九州(奄美大島、徳之島)から沖縄諸島、先島諸島(石垣島、西表島、与那国島など)にかけて分布します。国外では台湾、中国南部、ベトナムに広く分布。低地の林内や林縁のほか、伐採跡や崩壊地などの湿って肥沃な土地にいち早く群生する性質があります。 花期: 5月〜6月(〜7月)。 利用法: 材が淡黄褐色で非常に緻密かつ硬く、耐久性に優れるため、沖縄や奄美地方などの自生地では伝統的に農具や天秤棒などの棒材、地中に打ち込む杭材、旋盤加工による挽物材(工芸品)などとして利用されてきました。 レッドデータ等: 鹿児島県(奄美群島を含む)において「絶滅危惧I類」に指定されています。分布の北限域における脆弱性や生息環境の減少が脅威となっています。

アカネ科アカミズキ属
学名 Wendlandia formosana Cowan
前へ チガヤ
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