オモロカズラ
観察月
奄美大島の海岸や林縁で見られるオモロカズラ。他の植物を覆い尽くす外見的特徴からその名が付きました。光沢のある3出複葉と淡緑色の小花が観察ポイント。自然の生命力に触れてみましょう! 基本情報:南西諸島の亜熱帯気候に適応した常緑の多年生蔓性草本です。かつては台湾などに分布する近縁の「ミツバビンボウカズラ」と同種とされていましたが、近年の研究で南西諸島の固有種として分離・独立しました。「オモロ」という和名は、沖縄の古い歌謡集『おもろさうし』に由来するのではなく、「他の植物の上に繁茂して光を遮り、他樹木を完全に覆って枯らす(おもる/埋める・枯らす)」というその非常に旺盛で排他的な生態に由来しています。 形態的特徴: 花: 雌雄異株です。5月〜6月頃にかけて、葉腋から複集散花序を出し、薄緑色(淡緑色)の微小な花を極めて密に咲かせます。雌花には十字状に4裂する柱頭が備わっています。 葉: 互生します。表面に光沢を持つ肉質の3出複葉です。小葉は卵状楕円形から長卵状楕円形をしており、先端は尖り、葉の縁には明確な粗鋸歯がまばらにあります。 茎: 葉と対生する位置から発生する巻髭(まきひげ)を持ち、岩壁や他の高木の樹幹などに絡みつきながら立体的に這い登り、林冠を覆い尽くすように広がります。 分布域 / 生育環境: 日本国内の南西諸島(トカラ列島南部、奄美群島、沖縄諸島、先島諸島)に分布します。日当たりの良い海岸近くの低地や石灰岩の岩場、山地の二次林の林縁部に生育します。 花期: 5月〜6月 レッドデータ等: 鹿児島県のレッドデータブックにおいては旧学名の「ミツバビンボウカズラ」として準絶滅危惧(NT)に指定されている可能性がありますが、新種として分離された本種単独での再評価が待たれています。島嶼部の開発による自生地断片化の影響を受けやすい植物です。