シナガワハギ

ID 0289

観察月

5月 6月 7月
2026年5月

奄美大島の道端や海岸近くで見られるシナガワハギ。黄色い蝶形花と3枚の小葉の外見的特徴を持つマメ科の野草です。葉を揉んだり乾燥させたりすると漂う、桜餅のような甘い香りが観察ポイント!足元の自然を感じに出かけましょう。 基本情報:アジア大陸などを原産とする1年草または越年草(2年草)で、江戸時代末期に東京の品川付近で発見されたことからその和名が付けられました。植物体全体に「クマリン」という芳香成分を豊富に含み、乾燥させたり組織が傷ついたりすると桜餅のような甘い香りを放つのが大きな特徴です。日本国内での由来については、古くからの在来種とする説と、牧草や緑肥として導入されたものが野生化した帰化植物(外来種)とする説の両方が存在します。黄色い可憐な小花を多数咲かせ、養蜂における優秀な蜜源植物としても知られています。 形態的特徴: 花: 5月〜10月にかけて、葉腋から長さ3〜5cmの総状花序を長く伸ばし、長さ4〜6mmの黄色い蝶形花を多数咲かせます。萼は5裂し、旗弁(上部の花びら)は翼弁とほぼ同じ長さになります。花後にできる果実(豆果)は長さ3〜4mmの楕円形で無毛、表面には網目状の凸凹したしわがあり、中に1〜2個の種子が入っています。 葉: 3枚の小葉からなる羽状複葉です。小葉は長さ1.2〜3cmのくさび状楕円形で、縁には浅い鋸歯があります。葉柄の基部にある托葉は極めて細い針状(糸状)をしており、1本の明瞭な脈が走っているのが特徴です。 茎: 直立または斜上し、非常によく枝分かれしながら成長します。 分布域 / 生育環境: 日本では北海道から沖縄まで全国に分布しています(ユーラシア大陸を中心に広く分布)。日当たりが良く、土壌の乾燥した砂礫地や荒地、河川敷、新しく造成された土地などのオープンスペースに好んで生育する先駆植物(パイオニア種)です。 花期: 5月〜10月 利用法: 一般的に深く張る根を利用して土壌を改良する緑肥や、家畜の飼料、蜂蜜を採るための蜜源植物として農業分野で利用されます。また、特有の甘い香りを持つため乾燥させてハーブティーやポプリ、料理の香りづけなどに使われるほか、血行を改善するサプリメント原料(メリロート)としても重宝されます。

マメ科 シナガワハギ属
学名 Melilotus suaveolens Ledeb.(または Melilotus officinalis subsp. suaveolens)