コナミキ
観察月
奄美大島の海岸の草地が観察ポイント! コナミキは、葉の付け根に咲く白い小花の外見的特徴が可憐な希少植物です。波の音を聴きながら咲く小さな波来草を探してみませんか? 本州(千葉県以西)から沖縄にかけて分布するシソ科の常緑性多年草です。「波が来る海辺に生える」ナミキソウより小さいことが和名の由来です。タツナミソウの仲間ですが花穂を作らず、葉の付け根に白い小花を2個ずつ咲かせるのが特徴です。海岸開発や植生遷移により生息環境が減少し、環境省の絶滅危惧II類(VU)に指定されている希少種です。 形態的特徴: 花:春(2〜5月)に、茎の上部の葉腋(葉の付け根)に長さ7〜8mmの白色〜淡紫色の唇形花を2個ずつ横向きに咲かせます。近縁のタツナミソウのように花穂を作らないのが特徴です。萼(がく)には開出毛と腺毛があり、花が終わると口を閉じ、上唇の丸いふくらみが「小皿」のように見えます。また、夏にはつぼみのまま自家受粉する「閉鎖花」をつけ、確実に種子を残す二段構えの繁殖戦略を持っています。 葉:対生し、長さ・幅ともに1〜2cmほどの心形(円状卵形〜狭卵形)を呈します。表面には軟毛が、裏面には軟毛と腺点があります。縁には2〜4対の粗い鋸歯(ギザギザ)が見られます。下部の葉には柄がありますが、上部になるほど小さくなり、ほとんど無柄になります。 茎:地下に細く長い走出枝(ランナー)を伸ばして繁殖します。茎は細く直立してわずかに基部で分枝し、表面にはまばらに開出毛や腺毛が生えています。 分布域 / 生育環境: 国内では本州(千葉県以西)、四国、九州、沖縄諸島(伊平屋島、沖縄本島など)に分布します。国外では中国や済州島に分布しています。海岸に近い草地や林縁、礫浜など、人間による適度な攪乱(定期的な草刈りなど)によって維持される明るい半自然環境を好みます。 花期: 2月〜5月(春) レッドデータ等: 環境省レッドリストで「絶滅危惧II類 (VU)」に指定されています。海岸開発や道路・護岸工事、さらには草刈り放棄による植生遷移(藪化)によって生育環境が奪われ、全国的に減少が著しくなっています。