コモウセンゴケ
観察月
奄美大島の日当たりの良い湿地や粘土質の崖地が観察ポイント! コモウセンゴケは、紅色の腺毛が密生するしゃもじ形の葉の外見的特徴が美しい食虫植物です。自生環境や育て方など詳細を解説します。 基本情報: 日本の太平洋側から南西諸島、海外まで広く分布する小型の食虫植物。葉の表面の紅色の腺毛から粘液を出して虫を捕食し、夏には可憐なピンク色の花を咲かせる。冬は赤く紅葉し常緑で越冬する。 形態的特徴: 花: 6〜9月頃、長さ5〜15cmほどの花茎を伸ばし、淡紅色(ピンク〜赤紫色)の小さな5弁花を数個から十数個咲かせる。蕾を巻き込んだ花序(巻散花序・サソリ尾状花序)の形をとり、下から順にほどけながら一日花を開花させる。 葉: しゃもじ形(へら形)をしており、葉身と葉柄の境界が不明瞭。葉の表面や縁には紅色の長腺毛(有柄腺)が密生し、甘い香りの粘液を分泌して虫を捕獲・消化する。冬期も葉を維持し、赤く紅葉する常緑性(部分休眠型)。葉の基部にある托葉は膜質で3深裂し、中央の裂片がさらに浅裂する。 茎: 茎は極めて短く、地面に這うように葉を放射状(ロゼット状)に広げる。地下の根系は黒色のひげ根状で貧弱である。 分布域 / 生育環境: 日本国内では本州(関東・宮城県以南)、四国、九州、南西諸島(奄美大島、沖縄など)に分布。国外では中国、台湾、東南アジア、オセアニアなど南北両半球に広範に分布する。日当たりの良い酸性の湿地や、粘土質の裸地などを好む。近縁のモウセンゴケよりもやや乾燥に耐えることができる。 花期: 6月〜9月 コモウセンゴケの白花種(シロバナコモウセンゴケ)に関するいくつかの情報: 主な特徴と情報は以下の通りです。 学名と分類上の扱い:白花種を「Drosera spathulata f. chionantha」とする学説がありますが、この記載文献は国内外で広く認知されておらず、花の色違いくらいでは品種のランクに値しないとされる傾向が強いため、基本種と同じ(シノニム)扱いになる可能性が高いと指摘されています。 分布域:日本では宮崎県以南の暖地に自生しており、国外ではオーストラリアなどにも分布しています。 耐寒性の低さ:通常のピンク色の花を咲かせる系統と比較して、白花種は特に寒さに弱い傾向があります。雪国などで栽培するとあっさりと枯れてしまうほどで、この耐寒性の違いは、単なる花色の違いにとどまらない生理的特性の分化を示唆していると考えられています。