リュウキュウウマノスズクサ(琉球馬の鈴草)
観察月
奄美大島の林縁で見られるリュウキュウウマノスズクサ(Aristolochia liukiuensis)。サクソフォン型の奇妙な花とハート形の葉が特徴です。ジャコウアゲハの食草でもある貴重な固有種の、受粉の秘密や観察ポイントを詳しくご紹介します。 形態的特徴: 花: 暗紫褐色で、花弁はなく萼(花被)が筒状に合着しています。サクソフォンや喫煙パイプのような独特な形状をしており、内部には逆毛があって、受粉のためにハエを一時的に閉じ込める仕組み(トラップ型)を持っています。 葉: 広卵状心形(ハート形)で、長さは5〜15cmほど。表面には光沢があり、裏面は帯白色で軟毛が密生しています。 茎: つる性で、成長すると木質化します。若枝には灰白色の毛が密生するのが特徴です。 リュウキュウウマノスズクサの果実は**「蒴果(さくか)」**と呼ばれ、以下のような特徴を持っている。 形状: 円筒形から長楕円形をしており、表面には6つのくっきりとした稜(りょう)があるのが特徴。 大きさ・表面: 長さは約5~7cmほどで、表面には細かい毛が生えている。 熟した時の様子: 完全に熟すと果実が花のように裂けて開き、中からトウモロコシの粒が並んだような形状の種子が現れることがある。 名前の由来: 「ウマノスズクサ(馬の鈴草)」という名前自体が、この独特の果実の形が、馬の首に付ける鈴(馬鈴)に似ていることに由来すると言われている。 奄美特有情報: 蝶との関係: ジャコウアゲハ(奄美亜種)、ベニモンアゲハなどの幼虫の重要な食草です。植物に含まれる有毒成分(アリストロキア酸)を体内に取り込むことで、鳥などの外敵から身を守ります。 レッドデータ: 鹿児島県レッドリストで「絶滅危惧II類 (VU)」に指定されている貴重な植物です。