シマギンレイカ
観察月
奄美大島の渓流沿いが観察ポイント! シマギンレイカは、葉裏の紫褐色の腺点と、小さな花冠から長く突き出す雄しべというキュートな外見的特徴を持つ湿生植物です。 南国の森でひっそり咲く魅力をご紹介します! 屋久島以南から琉球列島、台湾や東南アジアなどに広く分布する湿生・南方種の多年生草本です。葉裏に密生する紫褐色の腺点と、花冠の外に長く突き出す雄しべが特徴的で、南西諸島の湿潤な森を代表する希少な植物の一つです。 形態的特徴: 花:長さ3〜4mm程度の鐘形または筒状をした、赤みを帯びた白色の小花を総状花序にまばらに咲かせます。最大の特徴は、5個の雄しべが花冠の外に長く突出することです。花柄や萼はほとんど無毛で、下から順次開花するため蕾から花、果実へ至る過程を同時に観察できます。果実が熟す時期には果柄がやや下向きになります。 葉:軟らかい紙質で広披針形から狭卵形をしており、長さ5〜10cm、幅1〜3cm程度です。先端は鋭く尖り、基部はしだいに狭まって翼のある葉柄へと続きます。葉の裏面一面には紫褐色の細点(腺点)が散在しており、全体的に紫色がかって見えます。 茎:直立し、上部で分枝します。断面は四角形で、稜が際立つ「四稜形」を呈しています。 分布域 / 生育環境: 国内では鹿児島県の屋久島および種子島を北限とし、奄美諸島を含む琉球列島全域に分布します。国外では台湾、中国大陸南部、東南アジア、バヌアツなどに広く分布しています。湿度の高い林縁や林内、渓流のそばなどの半日陰を好みます。 花期:3〜5月(南西諸島などの暖地)、6〜7月(北方や高地) レッドデータ等:環境省レッドリスト等で「準絶滅危惧 (NT)」に指定されています。森林伐採や開発に伴う生育環境の乾燥化、外来種の侵入などが減少の脅威となっています。