オキナワテイカカズラ
観察月
奄美大島の森や海岸に自生するオキナワテイカカズラ。外見的特徴であるプロペラ状の白い花と甘い芳香がスズメガを呼ぶ観察ポイントです。強靭なつるの生態や活用法を解説! 基本情報: - 奄美大島などの琉球列島や台湾、小笠原諸島に分布する常緑のつる性木本。 - 樹幹や岩壁に付着根を出してよじ登り、長さ10〜15mに達する。 - 5〜8月にジャスミンに似た強い芳香を放つ、プロペラ状の白い花を咲かせる。 - スズメガに花粉を運ばせる特異な受粉生態を持つ。 形態的特徴: 花: 5〜8月に枝先や葉腋から集散花序を出し、直径10〜30mmほどの小花を密に咲かせる。花冠は先端が大きく5裂し、プロペラ状によじれる「高坏形」。開花初期は乳白色だが、咲き進むにつれて淡黄色から橙色へと変色する。花筒の長さは約7〜9mmで、強い芳香を放つ。 葉: 対生し、長さ4〜10cm、幅1.5〜3cmの倒卵状楕円形〜披針形。厚い革質で表面は無毛で強い光沢があり、裏面は側脈や主脈の網目が明瞭に目立つ。塩害や強い紫外線から身を守るための適応とされる。 茎: 極めて頑健で、節から付着根(気根)を出して樹木や岩に強固に張り付きながらよじ登る。茎を切断すると、キョウチクトウ科特有の有毒なアルカロイドを含む白い乳液(ラテックス)が分泌される。 分布域 / 生育環境: 鹿児島県佐多岬以南、南西諸島(奄美諸島、沖縄諸島など)、小笠原諸島、台湾に分布。低地から山地の明るい林縁、海岸付近の隆起石灰岩地、さらには深い森の内部まで、多様な環境に適応して生育する。 花期: 5月〜8月 利用法: 茎(つる)は非常に強靭で簡単には千切れないため、奄美や沖縄の伝統的な生活において、地面を這う枝分かれの少ないつるを採取し、籠(かご)の骨組みや補修素材、農作物や薪を縛るための天然のロープ(結束材)として重宝されてきた。 レッドデータ等: 絶滅危惧種の指定はないが、海岸地域の開発や林道の拡幅工事、外来種(ギンネムなど)との競合による自生地の消失が懸念されている。