ナンゴクネジバナ

ID 0208

観察月

5月 6月
2026年5月
2025年6月末 油井岳にて、白い花は初めて見た。
2026年5月
2026年5月

奄美大島など南国の芝生や草地に春を告げるナンゴクネジバナ。外見的特徴であるピンク色の螺旋状の花と無毛の茎が最大の観察ポイントです。希少な野生ランの生態や魅力を徹底解説します! 基本情報: - 奄美大島など南西諸島から台湾、中国南部などに分布する野生の小型ラン。 - 春(3月〜5月)に、ピンク色の小さな花を螺旋状にねじれるように咲かせる。 - 本土で初夏に見られる「ネジバナ」に酷似するが、花茎や子房に全く毛がない(無毛である)ことで区別される。 - 鹿児島県では絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されている希少な植物。 形態的特徴: 花: 茎の先端に長さ4〜10cmの穂状花序を出し、淡紅色の小花を多数、螺旋(らせん)状にねじれるようにつける。花のねじれ方には右巻きと左巻きの両方がある。花は長さ4〜5mmで、下側の唇弁は白色で倒卵形・縁に細かなギザギザがあり、その他の花弁や萼片は淡紅色をしている(稀に白花品や緑花品もある)。本土のネジバナと異なり、花序の軸、子房、萼片に毛が全く生えていない(無毛)のが最大の特徴である。 葉: 根生葉(根出葉)は2〜5枚がロゼット状または斜上してつき、長さ3〜20cm、幅0.5〜1cmほどの広線形から広線状披針形で、先端は尖る。表面には3〜5本の明瞭な葉脈が見られる。茎の上部にも鱗片状の葉が茎に圧着するように数枚つく。 茎: まっすぐに直立し、表面は平滑で無毛。 分布域 / 生育環境: 日本国内では奄美大島を含む琉球列島(奄美群島、沖縄群島、宮古群島、八重山群島など)や四国、伊豆大島などに分布。国外では台湾や中国南部、インドシナに分布する。日当たりが良く、定期的な草刈りなどの適度な人為的撹乱が入る海岸の草地、丘陵地の原野、公園の芝生、路傍などを好む。 花期: 3月〜5月(地域によっては1月や2月の温暖な時期から咲き始めることもある)。本土のネジバナ(主に夏咲き)よりも開花が早い。 レッドデータ等: 鹿児島県版レッドリスト(2016年改訂)において「絶滅危惧Ⅱ類(VU)」に指定されている。奄美大島などの南西諸島は本種の分布の北限域のコアとなっており、リゾート開発や農地開発、あるいは公園の芝生における過度な草刈りや除草剤の使用による生息地の喪失が脅威とされている。

単子葉類 ラン目 ラン科 ネジバナ属
学名 Spiranthes sinensis* var. sinensis