クマタケラン

ID 0167

観察月

5月

奄美大島の森や人里で出会えるクマタケラン。大きくて柔らかな葉と、斜上して咲く白地に黄色と紅色の斑が入る花が外見的特徴です。林縁や日陰が主な観察ポイント。カシャ餅を包む葉としても有名です。 本情報:ゲットウとアオノクマタケランの自然交雑種とされる常緑多年草。奄美大島などでは「カシャ」と呼ばれ、葉が柔らかく爽やかな香りがするため、郷土菓子「カシャ餅」を包むのに欠かせない身近な植物として親しまれている。 形態的特徴: 花: 偽茎の先端から長さ20cmほどの総状の円錐花序が斜め上方(斜上)に伸び、側枝に2〜5個の白色の大きな花を咲かせる。花序の主軸(花軸)は完全な無毛である。内花被から変形した唇弁は長さ2〜3cmで、黄色を帯びており、鮮やかな紅紫色(紅色)の縦線(紅条)が2本走る。また、機能する1個の雄しべが「鶴の首」のように前方に大きく湾曲するのが特徴的。 葉: 長さ50〜100cm(通常50〜70cm)、幅8〜15cm(通常8〜12cm)の長楕円状披針形で大型。表面は無毛で平滑、強い光沢があり、平行脈が明瞭に浮き出ている。葉先は鋭く尖り、葉の縁にのみ微細な毛が密生する。ゲットウの葉に比べてやや細身で、薄く軟らかい質感を備える。 茎: 太い地下茎(根茎)が地中を横に這い、そこから多数の偽茎を直立させて大きな株(群落)を形成する。旺盛な栄養繁殖力を持つ。 分布域 / 生育環境: 原産地は台湾。日本では九州南部から琉球列島(奄美群島や先島諸島など)、四国の温暖な地域に分布(野生化・自生状態)。低地から山地の林縁、あるいは人家に近いやや湿気のある日陰地に生育する。 花期: 5月〜8月(主に初夏) 奄美特有情報: 方言: カシャ 利用法: 葉は軟らかく包みやすく、加熱すると食品に優しい香りが移るため、奄美大島の郷土菓子「カシャ餅(よもぎ餅)」や法事の団子、おにぎりを包む材料として重宝されている。強力な抗菌・防腐・消臭作用があり、生魚の下敷きにも使われた。カシャ餅は厄除けや、火災予防を願う伝統行事「ムチモレ踊り」の引き出物としても振る舞われる。また、丈夫な偽茎の皮は、ロープや魚網を編む天然繊維資源としても活用されてきた。根茎は生薬「廉姜(レンキョウ)」の代用として胃もたれや胃痛の緩和に用いられる。 レッドデータ等: 情報なし(ゲットウとアオノクマタケランの自然雑種と推測されており、不妊性が高く結実しにくい特性があるため、特段の指定はないと考えられる。)

ゲットウ・アオノクマタケラン・クマタケランの比較と面白い話|奄美の草花散歩 | 奄美の草花さんぽ帖
kametora-lab.github.io/kametora_kusabana_sanpo/kusabanamemo/amami-gettou-kumatakeran-guide/
ショウガ目 ショウガ科 ハナミョウガ属
学名 Alpinia × formosana K.Schum.