キカラスウリ

ID 0137

観察月

7月
10月龍郷の奄美自然観察の森

奄美大島にも自生するキカラスウリをご紹介。白いレース状の花や光沢のある葉という外見的特徴を持ちます。夕方から翌朝まで咲く神秘的な花と秋の黄色い実が最大の観察ポイント。植物図鑑としてご活用ください。 基本情報:北海道から沖縄まで広く分布するつる性の多年草です。夏の夕暮れから咲き始め、翌日の午前中まで白いレース状の美しい花を咲かせます。秋には名前の由来となった鮮やかな黄色の実をつけます。地下にできる巨大な塊根から採れるデンプンは「天花粉(てんかふん)」と呼ばれ、古くからあせも予防のベビーパウダーとして、また生薬としても利用されてきた、人間と関わりの深い植物です。 形態的特徴: 花: 6月〜9月に開花。夕方(日没後)から咲き始め、カラスウリとは異なり翌日の午前中や昼頃まで咲き続けます。花は直径5〜10cmほどの白色(または淡黄色)で、花冠が5裂し、縁が太めの糸状・レース状に広がります。雌雄異株で、夜行性のスズメガなどがポリネーターとなります。 葉: 五角状の卵心形(ハート型)から掌状に3〜5裂(時に7裂)します。カラスウリと違い、表面には毛がほとんどなく、強い光沢(ツヤ)があるのが特徴です。 茎: 茎は細長い蔓(つる)状で、葉と向かい合って巻きひげを持ちます。年数を経たつるは木質化して越冬することもあります。地下にはサツマイモのような形をした巨大な塊根(重さ2kg以上になることも)があり、デンプンを豊富に蓄えます。 分布域 / 生育環境: 北海道(奥尻島など)から本州、四国、九州、沖縄(奄美大島を含む)に広く分布。平地から低山地の林縁、やぶ、農地周辺などに自生します。 花期: 6月〜9月(主に夏から初秋)。 利用法: 一般的な利用法として、根からとれるデンプンは「天花粉(てんかふん)」としてあせも予防のベビーパウダーや化粧の白粉に利用されてきました。また根は「栝楼根(かろこん)」、種子は「栝楼仁(かろにん)」という生薬として解熱や鎮咳などに用いられます。未熟な実や若芽は食用に、熟した実の果肉はしもやけの薬などにも使われてきました。

ウリ科カラスウリ属
学名 Trichosanthes kirilowii var. japonica