カクチョウラン(カクラン)

ID 0127
紫と青

観察月

5月 4月

カクチョウランは、外側が純白で内側が暗褐色の花と巨大な葉という外見的特徴を持つ大型の野生ランです。谷間の湿地や半日陰の林縁が観察ポイント。絶滅危惧種のため静かに見守りましょう。 基本情報:開花時の姿が空へ舞い立つ鶴を思わせる、草丈が1mを超えることもある大型の常緑地生ラン。乱獲や開発により激減し、絶滅危惧種に指定されている希少な植物である。 形態的特徴: 花: 偽球茎の基部(葉腋)から長さ50〜200cmに達する花茎を直立させ、直径7〜12.5cmの大型の花を10〜25個ほど総状につける。花は下向き(垂頭)に開き、花被片(萼片・花弁)は外側が純白色、内側が暗褐色または赤褐色という極端な色彩の対比を持つ。唇弁(リップ)は筒状で、基部が白く、先端にかけて鮮やかな赤紫色〜紫色に染まる。 葉: 偽球茎の頂部から2〜6枚の葉を展開する。葉身は長さ30〜100cm、幅8〜20cmに達する長大な楕円状披針形。無毛で肉厚であり、表面には明瞭な縦方向のひだ(縦襞)を持つのが特徴。 茎: 地表付近に長さ6〜8cm、幅3〜6cmの卵形・円錐形をした非常に強健な偽球茎(バルブ)を形成する。このバルブは水分や養分の貯蔵器官として機能し、しばしば鮮やかな紫色を帯びる。 分布域 / 生育環境: 日本国内では種子島を北限とし、屋久島、奄美大島、沖縄にかけて分布。国外では台湾、中国南部、ヒマラヤ、インド、東南アジアからオーストラリア、太平洋諸島まで広範囲に分布する。尾根間に形成される湿地帯や沼沢地の周辺、常に水が染み出すような斜面下部など、半日陰(遮光環境)で湿潤な場所を好む。 花期: 4月〜6月(※日本の自生地の場合。温室管理下では冬に咲くこともある) レッドデータ等: 環境省レッドリストで絶滅危惧II類(VU)。鹿児島県では絶滅危惧I類(CR+EN)、沖縄県では絶滅危惧IB類(EN)に指定されている。園芸目的の深刻な盗掘や、周辺開発に伴う自生地(湿地)の乾燥化により個体数が激減している。

キジカクシ目ラン科エビネ属(旧ガンゼキラン属)
学名 Calanthe tankervilleae(旧学名:Phaius tankervilleae)